2016年10月

困った。
銀行で金を引き出すことができん。
訓練校は土日祝休みなんだが、9時から16時まであるので
結局窓口が開いてる時間帯にいけないんだよな。
俺はキャッシュカードを持ってないのでATMも駄目だ。

思えば銀行の窓口が開いてる9時から15時の時間帯
タクシーの時は街を練り走ってたのでいつでもいけたし
派遣工の時は夜勤の出勤前、少し早めに起きれば間に合ってたので
‘キャッシュカードを作る‘という概念が無かった。

まいったな。

電気屋に古くなったパソコンを持っていった。
正規で処分すると金が掛かるが、なんと電気屋に持っていった場合
逆に金が貰えるのだ。
パソコンなどの内部には金やレアメタルといった価値のある金属が
微少だが内臓されているらしく、機能としては駄目でもそういうものを
取り出せるので価値があるようだ。
デスクトップとモニターで100円ずつ、合計200円をGETした。



俺が高校をすぐ辞めたのも
その後ほとんどなにもせずダラダラと人生を過ごしてきたのも
ある意味で計算があった。
それは、こうやって時が過ぎ去り俺が30も過ぎたおっさんになった今
それが免罪符になりえるということ。

どういうことかというと、例えば高校大学と順調に道を歩み
職も自分の希望するのができたとする。
だが、仕事のストレスで気を病んだり、その他自分で防ぎようの無い病気や事故
悪いタイミングが重なり長期無職、ニートになることも十人十色の人生なので
起こりえるだろう。

現に俺は20代半ばでアトピーという皮膚疾患を発病したんだが
そんな俺がもし世間一般的な道を進んでいて、家庭を持って仕事でも忙しい責任ある
立場になってたらどうなるか。
おそらく、色んな重みをうんしょと一辺に抱えることになる。
そして行き着くところは廃人、あるいは自害という結果もありえるかもしれない。

そういう人が仮に廃人や自害を回避するために、その重い物を下ろしたとする。
しかし、そこに待ってるのは冷たい現実だと思う。
他人には脱落者のように謗られ、自身でも苛まれるのは必死だ。
そういう点では中卒ニート10年なんてほうが恵まれてる。
なんで君が~というのと、まあお前だからねというのじゃ
後者の方が気が楽だよな。


とどのつまり、俺は自身の人生に対して先見の明があったって事だ。
積み上げたブロックが半ばで壊れるなら、最初から積まなければいいという話。

今日は担当講師との面接があった。

ジョブカードを見ながら講師が数字は半角で書きなさいとか
この部分書き忘れてるよといった具合に指摘していく。
文章の書き方については特に直す必要は無いと言われたが
職歴の欄でうん?これだと3年くらい間空いてるじゃん?そこ何やってたかを書かなきゃ。
えーと、それから・・・ここも4年?空いてるよ。企業は人を雇う時こういうとこを重要視するから
ちゃんと書かないと・・・等々さんざ突っ込まれた。
いや、特に何もやってなかったというと一瞬、講師の目の色が消えたようにみえた。


再確認。
俺は自分の立場、雇われる者としての立ち位置を再確認した。

今日から次の課題に入った。
といってもまた鉄をガリガリ削るんだが。

今までは旋盤という機械に加工物をはめて回転させ、そこに工具を当て
削っていくというやり方だったんだけど、今回はその逆でフライス盤という機械に工具を
取り付けて回転させ、加工物を動かしながら削っていくというものだ。

フライス盤での切削は旋盤より飛散物があまり飛ばないらしいので
昨日のようなアクシデントは起きないだろう。
起きちゃ困る。

今日は新しい工程の習得試験があった。

一心不乱にガリガリと鉄を削っていく。
よーし、いいぞ。この調子で立派な形状に・・・
と、その時、削った鉄屑が飛散して襟元からお腹に進入してきた。
痛て!熱!!
バタバタと狂乱して飛散物を出そうとしてたらガガガッと変な音が旋盤
から鳴りだした。
この作業は鉄の塊を機械に取り付けて高速回転させ
バイトという鉄よりさらに硬い掘削道具を押し当てて削るんだが
自動で行う箇所もある。
自動といっても、止める時は手動なので
決められた範囲の少し手前でその自動を止めて、後は手動でハンドルを回して削るという手順なのに
狂乱してたもんで止めるのを忘れ、取り付け部分までバイトが進んでしまい
変な音が鳴ったんだな。解りやすく図にするとこんな感じ。
旋盤
どうした!?と講師が駆けつけてきて
なんで自動を止めないんだ、よそ見するんじゃないと叱られた。
事情を説明しようとするも痛いやら熱いやら恥ずかしいやらやっちゃった感やらで
どうにもできなかった。

ふう・・・。

ここ最近、座学は無く実技が続いている。
座学の時は1時限毎に休憩があったが
実技になったら午前1回、午後1回の休憩となった。
6時限授業が4時限になってるんだな。
しかも休憩は10分ちょい。
今までの座学では午前午後共に各20分の休憩があり、しかもただ座って
聞いてればよかったので足にきている。

この感じ。
そう、自動車ラインの時と似ている。
あの熱き血潮が再び脈を打ち始めた・・・。

俺の通ってる訓練校は出席番号というものがあり
席順もそれにならって決まっている。
俺の隣は、入学式でも隣だったおなごなんだが
昼食事の際、今まで隣(自分の席)で食べてたのに今日は女性陣
の(後ろの方で何人か固まってる)中に入ってワイワイと楽しそうに
食事をしていた。


・・・


なんか、ネットで他人の職業訓練の体験を調べてたんだが
結構みんな受講生同士仲良くなって最後飲み会とかすることが多いらしいな。
そういや初日の講師の説明でも、1ヶ月もすればみんなすごく仲良くなれるよ~とか
のたまってたな。

訓練が始まってもう3週間だが、まったくそうなる気配が無い。
みんな昼飯は自分の席で黙々と食べ
休憩時の煙草も各自で少し距離をとり黙々と吸ってる状況。
もしかしたら俺のような性格の奴が、たまたま集まって
しまったのかもしれない。

これは幸運なのか、あるいは不運なのか・・・。

いつもは一時限毎に10分の休憩があるんだが
今日は作業の切りのいいところで各自勝手に休憩いれろ
というスタンスだった。

一人、黙々と鉄の塊を削る測る削る
削る測る削る測る削る測る削る測る
削る測る削る測る削る測る削る測る
削る測る削る測る削る測る削る測る
これをひたすらやっていた。

だが授業でも実習でもない、なんというか修行という感じがして
なかなかいい汗を掻けた。

今日も全時限、立ちっぱなしの訓練だった。

内容は相変わらず昨日と同じように、鉄の塊をmm単位で削ってく作業を
やってたんだが、今日で最終段階までの工程を教わったので
あと3日後くらいに修得試験があるようだ。


まあ出来が悪くても訓練から追放されるわけではないと思うので
プレッシャーというほどでもないが、やるからには良い物を作りたいよね。


昨日からガリガリと鉄を削って製品作りに没頭している。
しかし、本当に骨の折れる作業だ。
俺が今訓練している作業は、長さ直径ともに5cmほどの円盤型の鉄の塊を
指示された寸法まで削るというものなんだが実に難しい。
ノギス
こいつはノギスという長さを測る測定器なんだが
単位で0,05mmまでを正確に測る事ができる。
こいつを駆使して目標値の0,05mmまで削り次に
マイクロメーター
このマイクロメーターという、0,01mmまで測れる器具で
さらに目標値までじわじわと削っていく。
これらの器具はいわゆる、定規の精密版といったところか。

なぜこんな器具を使うのかというと、完成品の合格基準が誤差±
0,03mmとか0,04mmという非常に微細の値だからだ。
例えば、直径1cmの製品だとすると1、003cm~0,097cm
mmで見た場合、10,03mm~9、97mmの範囲だったら良しとなるわけだ。


繊細かつ正確さが求められるこの課題。
できあがった品は誤差がありまくりだったし、細かい数字との格闘で
頭がフットーしそうだ。

今日はずっと実技だった。
nc旋盤
上のような機械(画像は拾い物)に鉄の塊をはめ込み
図面に従って加工していく。
主に削って加工していくんだが、0、何ミリという基準で削っていくので
加工物がずれてたり等の、ちょっとした不手際があったら
合格基準に満たない品になってしまう。

まだ序盤の段階なので一応、形にすることはできたが
よく分かっていない部分が多々ある。
明日もこれの続きをやるようだ。

もう週末も終わりか。

明日からまた5日間、訓練が始まる。
仕事ほどではないにしろ、やはり精神的肉体的にも
ニート時よりかは消耗するな。

仕事は覚えれば後はルーチンワーク的に坦々とこなせるところがあるが
訓練は毎日新しい事を学ぶので気を抜けないってのもある。
まあまだ10日も経ってないのでなんともいえんな。

今日はジョブカード作成に勤しんだ。

訓練生には一人ずつUSBメモリが配られてて
中にはフォーマットが入っている。
それに自宅のパソコンで入力するという寸法である。
今月一杯までに提出すればいいんだけど、夏休みの宿題方式で
ギリギリになって焦るのは避けたいから早めにやることにした。

なんとか半分ほどできた。




今週の訓練が終わった。

訓練は今のとこ、そこまで大きな問題も感じないんだが
アフターに問題が出始めている。
というのも、訓練が終わって家に着くのが午後5時ちょっと前
なんだけど、すぐ酒に手を出してしまうんだよな。
今の生活は午前7時半起床なので午後11時に寝れば十分睡眠を取れる。
だから、午後5時から午後11時前後までひたすら酒を飲んでしまい
大量飲酒という結果となる。
今日でまだ訓練7日目だというのに、そのうち5日くらいは
二日酔いで訓練を受けてるような始末。

今年7月までやってた派遣工生活で、仕事から帰ったらまず
酒をグビリという悪癖がついたようだ。
ただ、派遣工の時は飲んだらすぐ寝ないと、明日に支障をきたすような
時間の無さと過酷な労働だったが今はそうじゃないからな。


ほどよい加減の訓練と、ほどよくゆとりのある時間。
これが思いもがけないネックを生み出してる。

訓練6日目。

今日はほぼ実技だった。
20数人いる中で、ヒーヒー言いながら最も遅く課題を終えた。

先がおもいやられる

訓練5日目。

午前は座学、午後からは鉄板に
丸穴を開ける実技があった。
タラタラやってたので仕上げることができず
明日に持ち越しとなった。

なんか学ぶ意欲が低下してる気がする。
体中の毛穴から、やる気がゆっくりと蒸発していってるような。
まだ5日目なのに。

俺が今通ってる職業訓練校は6時限(講習50分休憩10分)
なんだが今日は例外的に7時限目があり、ジョブカードという
ものの作成の説明を受けた。
説明から、このジョブカードとは自分の経歴や職歴を露にする
履歴書の強化版みたいなもののようだ。

これを持って企業などに面接しにいくわけなんだが、作成の意図はもう一つあり
例えば面接する際、自己アピールを円滑にするため
まず己を見直す、再認識するという面もあるらしい。
なるほど、まずは自分の事を知っとかないと、相手に自分の事を
伝えるのは難しいからな。


己を掘るといってもいい。
俺の中に何が埋まっているのか・・・。

三連休終わり。
やはりダラダラしてるニート時と比べ
休みが尊く感じるな。
1秒1秒を意識して全身に刻みながら過ごすというか。
平日が一般道を走ってるとすると、休日は高速道路を
走ってるというか。

嬉しくもあり、悲しくもある感覚だ。

とりあえず3日間訓練に通ったわけだが
派遣工やタクシーの時に比べたら全然楽だ。

朝7時半に起きて、夕方の5時前には家に帰ってこれる。
派遣工やタクシーの時と比べて時間に大分余裕がある。
仕事じゃないので、開始5分前に着いても何も言われないし
煙草は吸殻入れがいたる場所に設置してあり
授業間の休み時間毎にスパスパと吸える。

通学時間がもっと短いならもう
いうこと無いんだけどなあ・・・。

テレレテ~テテ~テロテロ~♪

今日も午前7時半にセットしといた目覚ましが
俺を目覚めさせる。
俺は今週から職業訓練生になったのだ。
いつまでも惰眠を貪っていられるニートの時間は終わった
ということを、今週からこの響きで再認識させられている。

ファ~ウファウファウファウ。しかし眠い。
この眠さは一体なんだ。
8時間は睡眠を取ってるのに、瞼が一向に眼の半分以上開かない。
座学中心とはいえ、やはり頭を使ってるので知らず知らずに
疲れが溜まるのだろうか。
とりあえず顔を洗って歯を磨かないとな。

顔洗い歯磨きを済ませて身支度をしてると、母親が起きてきて
土曜も訓練校あるの?と言ってきた。
はぁ?今日は金曜だろといいつつ、もう60も過ぎてるので
とうとう頭にきだしたかと心配になった。
だが、土曜だとしつこく食い下がるのでよくよくカレンダーを見ると
確かに土曜日だった。


訓練校は土日祝は休み。
ニート無職になると日にちや曜日の感覚が希薄になる。
まだそれが抜けきれてないな。

訓練3日目。

もう10月も過ぎたというのに30℃前後の気温が続いていて暑い。
俺が今訓練を受けてる場所は、色んな訓練用機械が置いてある
工場のようなだだっ広い所なのでクーラーなどない。
なので首振りの大型扇風機が2箇所に設置されてるんだが
扇
こんな感じで見事に風の死角に入ってしまっていて
逆メタルギアソリッドになっている。
見つかりたい。

訓練2日目。

今日は研磨機の分解作業、そしてテストが行われた。
テストが終わった後に解答を配られたんだが合格ラインには
達してそうだ。

今日で研磨の分野は終わり。
明日から新たな項目の授業に入る。

訓練初日。
授業の最初に各々の自己紹介があった。
どこでもあるんだなあこういうの。

その後は6時限目までひたすら座学。
内容は研磨機の種類や用途の説明といったものだった。
俺はCADというものをまったく知らないので
ふーん、研磨機なんかも使うんだと思いながらボンヤリ聞いてた。

明日さっそくテストが行われるらしい。
今日と明日の講習を受けて、テストに合格すれば
研磨機を自分で操れる資格が貰えるようだ。

今日は職業訓練の入校式だった。
ここの訓練校は時間割制で1日に授業が6時限ある。
その間、昼休みや掃除もありほんと学校みたいだ。
今日は授業こそ無かったが、作業中の安全確認の話や
交通関係のビデオを見せられたり、いわゆるほとんど椅子に
座って話を聞くものだった。
それが6時限続いた。たまったものじゃない。

まあ、隣に座ってたおなごがケツ痛いですね
と言ってきたので、ですねとほんの少しだけど
会話できたので良しとするか。

午前10時から職安で訓練入所案内会あったんだが
15分前に着いたにも関わらず人がもう一杯来てて説明が行われていた。
あ?と思ったが、職員の人に促されて空いてる席に座る。
早めの行動を心掛けたのに実際は遅刻という由々しき事態。
先が思いやられるな。

案内の内容はもう何回もやってる提出する資料の作成。
職員の指示に従い、失業認定申告書という用紙に色々書き記していく。
1時間ほどで終わった。

ところで、俺の給付額なんだが日額5260円となっている。
月30日と計算した場合、157800円。
学校に通う日は昼飯手当てというものが1日500円出るらしいので
月に大体20日通うとすると+10000で167800円。
さらに交通費が俺の場合、8000円ほど出るらしいので合計で175800。
単純計算で月に175800円支給される。


いうて悪くないね。
奮い立つには十分な額である。

明日は職安に行って入校手続きとかをしないと
いけないんだが、必要書類が1枚見当たらない。
ここ一、二ヶ月間の失業申請と職業訓練関係で
腐るほど書類をもらってるから、わけが分からなくなってる。

ここまできて、必要書類が揃ってないからお前駄目なんてことに
なったらたまらんな。

10月だ。

そろそろ準備をしないといけない。
授業で使う教科書代の金も振り込んでないし
作業着もまだ買ってないからな。

残り時間が少なくなった今、ふいに
このダラダラとした日々が愛おしく思えてきた。
失って始めて大切な物に気付くとはよく言うが
そんな心境だ。

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