深夜2時。

繁華街のすみっこで‘待ち‘をしながら
スマホでアニメを観賞していると、ピーピーピーという配車音が鳴った。
アニメの世界から突如に現実に戻され、かったるいなあと思いつつ
距離を見るとここから300mほどのバーだった。

約1分で現場に着くと、何やら男4人女1人が外で喚いている。
その内の1人が俺を手招きしたのでどうやらこの人らが客らしい。
嫌だ・・・と瞬間的に感じ取った。

どうも女の人はバーのマスターで、男4人のうち2人が口論になっているようで
マスターが俺に3000円渡して、これで4人を送ってというものの
当の奴らは外で2人が口喧嘩をして他の2人が仲裁してる状況なので当然発車できず。

10分以上やいのやいのやってるのをひたすら車内から傍観する。
終いには警官がきてやっと場が収まり
1人を除く3人を乗せ、発車することができた。

なんとか発車したのはいいものの、今度は車内で3人が口論を始めた。
途中で止めろと言われ、外に出てまた3人で口論を始める始末。
いい加減辟易してくる。
殴り合いでもしてくれたら多少はこっちも面白いんだが、ただただ訳のわからない
事をグダグダと言い合ってるだけだからな。
スマホでアニメ観賞の続きでもしようかとも思ったが、変なことして奴らの気に触り
とばっちり受けたら嫌なのでただ待つしかできなかった。


現場に着いてから送り届けるまで掛かった時間、約1時間30分。
走行距離約2km。
チップ・・・0。

最初の感じ取りはやはり当たっていた。