一週間ほど前に購入した冷蔵庫と洗濯機が届いた。
設置も終わったところでタイミング良く、同じく一週間ほど前に
取り寄せで購入していたソファーも入荷したとの連絡が。

気分が乗っていたのでよっしゃ、さっそく取り行くかとアパートを後に。
カンカンカンとテンポよく階段を駆け下りながら、自転車の鍵をポケットから
弄ってロックを外す・・・あれ?
部屋の鍵はどこだっけ?感触がなかったぞ。
様々なポケットに手を突っ込むがどこにもない。

新居のアパートは相当古いので、外から鍵を掛けるタイプのドアノブじゃなく
中から掛けるものだ。
一旦外に出て、扉を半開きにし、内側に手を伸ばしてドアノブの中央にある
ボタンみたいなものを押す。
後はそのまま閉めれば鍵が掛かるという、‘鍵がなくても鍵を閉めれる‘という
奇怪なドアノブだ。

やべえよ・・・。
部屋の中に部屋の鍵を忘れてきてしまった。
開けるときは当然鍵がいるわけで、こうなるとどうすることもできん。
がちゃがちゃがちゃがちゃ!!ボロいドアなのでドアノブを狂ったように回すと
空くかもと思った。が駄目だった。
ベランダによじ登り、窓の鍵を閉め忘れてるのを期待して手をかけるも
数分前の俺は忌々しくしっかりロックしていた。
落ち着け。落ち着くんだ。
・・・そうだ、ピッキングだ!。

20分ほど自転車で付近を探索し、地面に落ちてる髪留めピンを発見。
こいつを鍵穴に差し込んでがちゃがちゃとやってれば
いずれロックは外れるに違いない。
これで一件落着ふっふっふ・・・・・・・・駄目だ!
まるで手ごたえが無い。
こんなんでガチャリと開くのはフィクションの世界でしかなかったんだと気づいた。

どうする・・・石でベランダの窓を叩き割るか・・・しかしそんなことしたら
弁償代がいくらかかるか分からない。
ましてやそんなデンジャーなことしたくない。
一時頭を抱え、やむ負えないがこのアパートを借りる時に契約した
不動産屋に電話して事情を話した。
不動産屋はここのスペアキーを持っていないらしく、とりあえず大家に連絡して
もらったが外出していて、帰ってくるのは午後6時過ぎになるということ。
今現在の時刻、午後1時。
どこかで時間を潰しててと言われ、不安と共に街をブラブラして5時間弱を潰す。

大家はスペアキーを持ってたようで、午後7時前に電話があり
不動産屋の人が鍵を携えアパートまで来てくれた。
ほっ、ようやくこれで部屋に入れる。
が、鍵を何度差してひねっても開かない。
なんで?終わった、完全に部屋から閉め出された・・・。
絶望顔で不動産屋の方を見ると、んじゃこっちでと別の鍵を渡された。
渡された鍵をドアノブに差し込むと・・・ガチャリ!


部屋の中には、どしたん?なにかあったん?というように部屋の鍵が
寝そべっていた。