よし、今日こそソファー取りに行くぞ。

カンカンカンとテンポよく階段を駆け下りながら、自転車の鍵をポケットから
弄りつつ部屋の鍵も入れてるのを確認してロックを外す。
店に着き、入荷されてたソファーを貸出車に積み自宅へと走った。

無事自宅アパートに着き、玄関の鍵を手にしようと
ポッケを弄った。
ゴソゴソゴソゴソ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ソファーを部屋に運ぶにはまず玄関のドアを開けなければならない。
俺はポッケを弄った。
ゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソ・・・・・・・・・・・・。
これからうんしょとソファーを部屋まで運び、設置して再び貸出車を店まで
返す。それにはまず玄関のドアを開ける必要がある。
俺は再度ポッケを弄り倒した。
ゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソ
ゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソ
ゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソ
ゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソゴソねえよ・・・・。

ありえん。
なんでこうも玄関の鍵が手元から離れる?
今回は部屋に忘れたのではなく、どこかで落としたのは明白だ。
昨日、あんなことがあったので今回は警戒して念入りにポッケに
閉まっていたはずなのにこの始末。
とりあえずソファーはアパートの空きスペースに勝手に置かせてもらい
泣きながら店へと戻った。
車の貸出時間は1時間と決まっているので嘆いている暇はない。

それにもしかしたら店内で落としてて、落とし物として届いてるかもしれない
という期待にかけた。

店に着き、カウンターに車のキーを返す際、俺の部屋のキーも届いてないか尋ねると
ちょっと待ってくださいねと店員さんが後ろをゴソゴソし始めた。
・・・なんか無いっぽいな、ああどうすりゃいいん・・・!!!
絶望しかかっていたところ、店員さんが鍵を手に
こんなん届いてますがと表示してきた。
まさしくその鍵は俺の部屋の鍵!!
地獄から天国。この時ばかりは世間を恨んでばかりの俺も
人の親切に心から感謝した。


落ちていた場所のメモが書いてあったんだが
なんと店入口付近で落としていた。
ほんと何やってんの自分としか言いようがない。
多重人格のように、俺を困らせようとするもう一人の俺が心の中に
潜んでいるんじゃないかと疑うほどだ。