俺は昔、悪童だった。

どれほどの悪かというと、俺にはじいちゃんがいたんだが
小学校に上がるかどうかという頃には
脳梗塞で寝たきりとなっていた。
ここから、ばあちゃんから最近になって聞かされた話で、俺は覚えてないんだが
寝たきりになってからというもの、俺はその祖父の耳元で
死ね、早く死ね・・・と嬉々とした表情で毎日囁いていたそうだ。
その度に祖父は、ボロボロと涙を流し枕を濡らしていたらしい。
間もなくしてじいちゃんは天へと旅立った。
元気な頃はやれ山だ川だと連れだって遊んでもらってたのに
とんでもねえよな。

他にもまだある。
登校すがら、ぼろっちい家の窓に石を投げたり(人が住んでる)
弱そうな上級生を叩いたり蹴ったりして遊んでた記憶がある。
なんかムカつく奴の家に夜中忍び込んで、買ったばかりだと日中話してた
ゲームソフトを盗み叩き壊した事もあったし
夏に花火をさすれば、花火の美しい閃光そっちのけで虫を生きたまま
焼き殺すのに夢中になってた。
とある空き家に入って中のものをさんざ物色したり、親戚の家の漫画本をごっそり
パクリ売り飛ばしたこともあったっけな。(後にばれた)
そんなだから、窃盗を行なった事も一度や二度じゃない。

賽の河原で小石を積む子供のように、俺の今のこのうだつのあがらない現状は
過去の報いからきてるのかもしれないと、鉄を削る日々にふと思い起こした。


残業:2時間