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俺は仕事の行きと帰り、新宿の京王百貨店前にある
喫煙スペースで煙草を1本吸っている。

いつも通り、スパスパと煙草を吸ってると
おい、兄ちゃん。おい兄ちゃん!という大きな声が
どこからともなくこだますのが聞こえた。

大都会東京。
ここでは聞きたくなくても色んな人の声や
雑音が容赦無しに耳に入ってくる。
うるせえな・・と思いつつ紫煙を吹かしてると
おい兄さんちょっといい?と、一人の男が俺のすぐ隣に立ち
喋り掛けてきた。

えっ?さっきの声、俺を呼んでたのか?
びびりながらも話を聞くと、なんでもこの人は土木会社の人事の人で
働き手を探してるという事だった。
名刺を渡され、興味あったら電話してと言って男は去っていった。

・・・土木か。興味ないな。
しかし、大勢いる中、俺に目星を付けた嗅覚はさすが
人事といえる。
1月一杯で宅急便の仕事を辞める身。
さらにその宅急便の仕事もほとんど突っ立てるだけなので
ワーキング・プアの雰囲気が身体から滲み出ていたのだろう。


あんたの会社で雇ってくれと、一瞬言ってしまいそうだった。