カテゴリ: 新聞配達

親切女性さんから約1年ぶりくらいにメールが来た。
親切女性とは、およそ4年位前東京に上京した際、住み込みで働いていた
新聞配達店の同僚だ。
何回か飯を食べたり、彼女が主催する展示会に行ったりした仲だったが
それ以来会っては無く、たまーにメールで2,3通やり取りするくらいだった。

今回はメールアドレスの変更と、第2回展示会を開催する予定だったが
コロナで延期するという内容が添えられてた。
メルアド変更しても俺の事を、もうこいつには会ってもないし教えないでいっかと
忘断捨離せず新しいアドレスを教えてくれたんだな。


荒みきった心に一滴の潤いをもらった。

今週末も相変わらず部屋でゴロゴロして過ごしてると
スマホから着信音が。
発信元は以前勤めてた新聞屋の所長だった。
なんと、誕生日だったから(俺の)お祝いと思って
掛けてきたらしい。
今の仕事は順調かとか、店を1つ増やしたというような話をし
電話は切れた。

親にさえおめでとうコール貰ってないというのに
わざわざ半年以上も前に辞めたアルバイト店員に
こうして電話をくれるとは、本当に良い所長さんだ・・・

・・・なんて思うほど、俺は単純ではない。
おそらく従業員がガチで不足してるんだろうな。
只でさえ人出不足だったのに、店が増えたのでそれに拍車が
掛かっているのだと予想される。
この‘店が増える‘というのは新規店ではない。
既存している店がなんらかの理由で経営が難しくなり
よその店に吸収されるような形だ。
今回は俺が以前働いてた店が、どこかの店を吸収したんだろう。
購読者が減り続ける新聞販売業界では珍しいことでないらしい。
そして特に、吸収された側の従業員は
新聞配達自体を辞める人も少なくないようである。


もはや一端の機械派遣工員となってきてる俺。
悪いが力は貸せない。

昨日、さて床につくかと押入れの布団に
潜り込もうとしてたらスマホからメールの着信音が鳴った。
なんだろうと思い、チェックしてみるとなんと約4か月ぶりくらいに
親切女性からのメールで近々2回目の展示会を開くという内容だった。

俺は忘れ去られてなかった・・・

忘れ去られてなかった・・・
忘れ去られてなかった・・・
忘れ去られてなかった・・・
忘れ去られてなかった・・・
忘れ去られてなかった・・・感無量。


魚---------------------------

10月まで勤めてた新聞屋に行った。
再び晴れて無職になり、再雇用を求め履歴書片手に・・・
なんて事ではなく、離職票をまだ貰ってなかったので取りに行くためだ。

訪ねた時刻は午後3時半。
この時間帯はみんな夕刊を配達してるので、店には事務員さんと
所長、授業員は居たとしても店長くらいだろと踏んでだった。
が、店に着くといきなり親切女性の姿が!
なんと昨日から夕刊はなく、元旦の朝刊に向けて広告チラシの
折り込み作業をしてるということで店にいたのだ。

一瞬あ、あ、とキョドってしまったが、相変わらずキュートだったので
ある意味ラッキーではあったのかもしれない。
彼女はもうチラシ作業を終え、一服していたようだったが
別場所でまだ作業をしている彼氏専業さんが帰ってきたので
あ、お久しぶりですと挨拶して、そそくさとその場を立ち去った。

親切女性と久しぶりに会った。
およそ先月の31日以来だな。

メールはちょこちょこしてたんだが事情もあり、2人で会うのは
良くないと言われてて、もう会う事もないのかなと少しシュンとしてたんだが
なんだかんだで小一時間ほど、さわやか号で彼女の
近所のお店に向かいお話することができた。

親切女性との話題は仕事(店)のことが多い。
話の途中、そういや俺の後釜として入ってきたは元気にやってますか?と尋ねると
バックレタという答えが。
ゴフッ。
・・・・・ええぇぇ。
なんと11月も一週間ほど過ぎたある日、突然こなくなったらしい。
親切女性も詳細はあまり分かってないようだったが、まぁそういう事なんだろうな。
数日間とはいえ一緒に配達を回り、色々教え、俺の伝統後継者ともいえる男だったので
ちとショックだった。
親切女性と話すとなんかショックなこと多いな。

とはいえ、やはり魅力的な人で、再度メロメロになるのを
抑えつつ冷静を保っている己が居た。
彼女は今宵も寒空の中配達に出掛け、俺はヌクヌクと暖房の効いた部屋で
ゲームに勤しむのかと思うといたたまれなくなり、web上で見つけたバイトに
応募し明日面接という運びになった。

もう11月も半分が過ぎようとしている。
新聞配達の給料日は毎月10日だったので
最後の給料の確認をするべく銀行に向かった。

通帳記入をして、額を確認すると約16万円振り込まれていた。
16万・・・ウァイ?
俺は毎月約17万貰っていた。
10月は集金も半端に終わり、ノルマの手当てが無いにしても
16万は貰えると踏んでいた。
それに年休の10日分、1日6千円計算として6万が10月分の給料と
一緒に出る手筈だったのでまあ20万越えは固いっしょと思っていたが
16万!?

沸々沸いてくる怒りとともに、あの日の話が思い出される。
容赦ないなほんと。




新居に住み始めて約一週間が経った。

この一週間、主立ててやってるのは買い物とゲームのみ。
特筆すべきことは特になし。
古き良きニート時代の感覚を徐々に取り戻してる。

と同時に、これからどうするかという思いも常に頭で巡らせている。
貯金を崩しつつ2018年に備え、今年はこのまま誰よりも迅く休むか
あるいは築き上げたこの財を守るため間を置かず労働するか。
つまるところ攻か守か・・・。

舵が定まらない。
昨日左寄りだったかと思えば、今日は目一杯右に切ってるような気分模様だ。




レンタカーを借りて新聞屋のアパートから
新居へと荷物を運んだ。
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まるでゴミ捨て場かと見間違うような部屋模様だな。
こんな状態だと布団を敷くスペースもないので
押入れを利用することに。
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こうすることにより、4,5畳のスペースが
一気に7畳近くまで膨らむ。
問題は取り外した襖だがこれは後ほど考えることにして
再び新聞屋へ。

今日が退去日だったのでそれまでに部屋の物を全部
運び込まなければならなかったが、まだ少し残ってたので
リュックに積めて所長と不備が無いか部屋を見て回った。

オッケーを貰うと店に戻り部屋の鍵、最初に作ったスタッフ証、店から支給されていた
ユニホーム、ジャンパー等を返却し、これでほぼ完全に店との関係が切れる事と相成った。
後は11月分の給料と離職票が送られてくるくらいだ。

去り際、所長から仕事決まらなかったらまたウチに来なよ。
今度はもっと楽な区域配らせるからさ、と言われた。
店長からもそんなこと言われたなそういえば。
この店、‘悪‘ではあったが‘極悪‘まででもないなと思った。


しかし疲れた。
一段落できるのはまだしばし先のようだ。

ワタクシ、コノ日ヲ指折数エテマッテタアルヨ。

昨日は新聞業務の最終日だった。
スマートに終わってくれれば良いと思っていたが
そうはいかず、さっそく朝刊時では新聞が8部も余った。
俺は今、新人さんの配達を後ろから見守る形で付いていってるので
こうなると責任は俺にある。
店に戻り、専業に事情を話すとこっぴどく叱られた。
くそが、やっぱこんな店辞めて正解だった。

時は過ぎ夕刊の配達時刻となった。
夕刊は新人さんでも一人で配達できるようになってたので
俺は集金業務に励む。
しこしこと半券を切り、93%回収まで持ってこれた。
午後6時30分、再び店に戻り金を入金し店長にバイクの鍵を返した。
新聞配達員にとってバイクは相棒みたいなもの。
本当に今日で終わりなんだなという実感が少し湧いてきた。
ちなみにアパートを出るのは2日後で、他の備品はその時渡すので
また店には行かないといけない。

しかしこんな最終業務も匙に過ぎん。
俺はこの日、親切女性さんと食事に行く約束をしていた。
彼女も当然集金をやってるので、お互いはっきりした待ち合わせの
時刻を設定できず、少しすったもんだはあったが午後9時頃にようやく
会うことができウキウキ♪で店に入る。
場所は彼女の家の近くにある鳥貴族という有名な焼き鳥チェーンで
一度行ってみたいなあと思ってたところだった。

考えがなかった事だが、退職日と食事の日が重なってしまったので
お疲れさま的な感じの乾杯となるも、仕事や店の話をしつつ
お酒や焼き鳥を美味しく頬張る。
親切女性さんは結構喋る人で、俺は主にふんふんと聞いてる方なんだけど
店(新聞屋)の内情を色々知ってて少し驚いた。
基本、黙々と配達して終わったらさっさと帰るだけの日々で
店の人と話すのは電話番の時くらいだったからな。

ほ~、と頷きながら注文したイチゴカクテルを飲んでると
彼女が、少し話すのを戸惑ってる様子で話し始めた。
実はとある専業とああぅん、はぁぁん、うふぅぅんな関係になってしまったと。
ゴフッ。
・・・・・ええぇぇ。
そしてこの日、俺と食事に行くと言ったところ凄い怒られたと。
・・・・・ええぇぇ。
酔いがみるみる醒めていくのを感じていた。
と同時に血の気が引くのも。
冷静を取り戻すため、いやぁびっくりですハハとカクテルを一気に飲み干す。
あの専業と?嘘だろ?そうなん?ひえー。
まるで心にビッグバンアタックを食らったような衝撃だった。


まさか最後の最後でこんな事実を知るとはな。
知りたくなかった。知りとうなかった。

新聞配達も残すとこあと1日。
今日は部屋の片づけ、荷造りに励んだ。
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今回の引っ越しは運送会社を使わず自分で運ぶので
ほとんどの物をゴミ袋に入れている。
段ボールだと開封時、邪魔になるからな。

これらはいいとして、運ぶのを危惧してる物がある。
俺の親友、竹馬の友50インチTVだ。
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こいつがいたから約7か月間、なんとか新聞と戦えた。
もちろん次の住居にも持っていくつもりだが、一人では抱えるのがやっと。
次の住居は2階なので果たして階段を上がり、部屋まで持ち運べるのか不安がある。
おまけに玄関は糞狭いし・・・。

まぁそれでもどうにかして運ばないといけない。
後は野となれ山となれだ。

ここ3,4日ほど、新人さんと一緒に配達している。

彼は俺と同じく、地方から上京してきた身だが
専業(社員)として店に入社している。
齢は俺よりも一回り若いけど、どうもキビキビしたタイプでは
無いようで今のところ、とてもじゃないが時間内(6時前後)に
配達を終えそうな気配は感じられない。
そしてたまに目が死んでいる。

10月を過ぎたら後はノータッチだけども
この先、営業も加わる過酷な専業業務をこなしていけるのか
彼の今後が心配でもある。

SAOLA
やることが多すぎて煮詰まっている。

まず集金。10月いっぱいで辞めるということもあり
月末のノルマ達成(90%)はもちろん、95%辺りまで
回収してほしいと店から言われている。
天気が良ければ可能だったかもしれないが
上のように台風22号、通称SAOLA(サオラー)が近づいてるので
それも危うくなった。

次に新人への引き継ぎ。
上達はしてきてるものの、まだ不安がある配達模様だ。
俺が辞めるまでに一人でこなせるようになるか、これも危うい。

さらに親切女性と、31日集金〆の夜に食事に行くことになっているが
こんな感じなのでどうなるか分からん。
というより、最近は言葉も交わしてない。
本当に行けるのか!?

加えてその翌日、引っ越しも待っている。
しかし荷造りなどまだ何もしてない。
弱ったな。
何もかも危うい。

昨日は凄かった。
いつも通り、集金に精を出していていつも通り
ボチボチという具合だったが、途中から集金の神が舞い降りた。
どこの家を訪ねても、まるで俺の訪問を待ってたかのように家に居て
お金を支払ってくれる。
気付くと32件連続留守無しで回収。
まさかラストの集金でこんなミラクルに近い出来事を体験するとはな。


されどノルマは達成ならず。


今日から集金。
なのにまた雨だ。

‘楽‘へ中々近づかない。

俺の区域を引き継ぐ新人さんと、今日初めて朝刊を回った。

結構前から店には入ってたんだが、悪天続きだったので
配達の方は店側が控えさせてたようだ。
新聞配達は初めてということでたどたどしく、おぼつかない足取りだったが
なんとか頑張って貰いたい。

彼の成長具合によって今後、いかに俺が楽できるかが掛かっている。

LAN
中心気圧945hpa 最大風速45m/s 
超大型台風、通称LANが今朝の朝刊時にジャストミートした。

阿鼻叫喚、死屍累々の配達になるのは必至と思われたが
一筋の光明が。
なんと今朝の朝刊、今回行われた衆議院選挙仕様で
新聞の厚さが夕刊並みに薄く、かつチラシも皆無だったのだ。

おかげで雨風は強いものの、トラブルもなく6時には配達終了。
やはり日本の未来を託せるのは彼しかいない。
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投票は行ってないけど。

今日は休み。

通い妻のごとく、今回も新居に行き様子を伺う。
2回目の掃除をし床は大分綺麗になった。
yuka
光沢が出て艶々と光っておるわ。
トイレの方も拝見してみた。
tpire
相変わらず臭かった。
萎えるなあほんと。
このまま臭いが取れなかったら業者か大家に相談した方がいいな
と思いつつ部屋を後にする。

ところで俺は今、府中市という場所に住んでるんだけど
この場所は東府中になる。
こうやって足繁く通えるのも同じ市内で距離が近いからだ。
当初は都心の方に居を構えたいなあと思っていたが
近い方が引っ越しが楽なことや、半年の新聞配達で多少地理も分かってる事もあり
府中市内に留まることにした。
後、親切女性と今度食事に行く約束をしてるが、その時満足してもらえたら
今後も付き合ってくれるかもしれないからな。
今の友達どころか知り合いさえいない現状、大きな味方に成りえると有り難いよな。
大都会東京で一人生きるのは、孤独に慣れてる俺でもいささか不安がある。
そう考えると遠くに住むより、近くに住んだ方がこれまたいいという寸法だ。


とにかく、仕事は残すとこあと9日になった。
そこから移住までを無事終わらせることに
今は意識を集中しないといけない。

3週連続の土曜雨。これは相当堪える。

辞める数週間前になり、この悪天続き。
偶然なんだろうが何かフォース的なものも感じるな。

試練の時を迎えている。

今日の配達は困難を極めた。

とにかく荷台に積んである新聞が滑り落ちる滑り落ちる。
雨天時はビニールに包装しててツルツルしてるので
毎回1度2度はそうなるんだが今日は桁外れだった。
こぼれ原理
何度積み直しても
こぼれ原理
まるで
こぼれ原理
新聞配達の神に
こぼれ原理
見放されてるがごとく
こぼれ原理
滑る。
積み方が悪いのか、俺のバイクの仕様のせいかは分からない。
この半年間の配達ライフ、数回ほど
あ、これやばいわ、これ配達完遂無理かもしれない・・・
と、心が折れそうになる日があったが今日もそんな日だった。

結局7時半過ぎ配達終了。
店に戻り、電話番の人に遅着がないか訪ねると(客から遅せーぞ!という怒りの電話)
今のところないとのことだった。
ホッとするも、こういうのは時間差で掛かってくるから安心はできない。
夜、仕事から帰ってきた客が今朝、出勤までに新聞入ってなくて読めなかった等・・・。


はぁ・・・

このところ、長らく雨が降り続いている。
‘秋雨前線‘なるものが停滞してるようだが
そんな単語、今まで聞いたことも無かった。
おそらく九州人はほとんど知らないだろうな。

雨天時の配達は体力精神共に負担が掛かる。
まさか終わり間近でこんなしんどい天候に見舞われるとは・・。
ついてない。

思いがけない朗報が入った。

飛び入りで新人さんが入社したらしく、俺が今配達してる
区域を任せる事になったらしい。
当然引き継ぎは俺が行うんだが、徐々に配達を覚えて貰って
一週間後の集金開始までには、夕刊は一人で配達できるくらいに
持っていって欲しい。
そうしたら俺も夕刊の時間を集金に回せるので、はかどっていいじゃん
とのこと。

平静を保ち、分かりましたと返事したが内心は小躍りしそうなほど弾んでた。
これまで溜まってた不満が一挙に洗い流される、素晴らしい配慮だ。

今日はさすがに休みをもらった。

しかしボーっとしてる暇はない。
秋雨前線の切れ目を見計らって
ホウキと雑巾、コロコロ、消臭力を片手に新居へ向かい掃除に精を出した。
俺が借りた部屋は元々和室だったらしいんだが
今は洋室の方が人気だということで、最近それっぽくプチ改装したらしい。
掃除をしてみると案外フローリングや壁紙は綺麗な事に気付く。

一通り掃除して、トイレ用消臭力をトイレ内に設置。
うう臭い。一体なんだこの臭いは・・・。
今度の休みにまた来る予定なので、その時までにこの臭いが
収まってるのを祈ろう。

その後、電気ガス水道の各社に電話を入れ契約の手続きを行った。
立ち合いが必要なのはガスだけだったので少し手間が省けた。


疲れたが、やっと離脱への羽ばたきを起こせたように感じる1日だった。
ここから退職を経て移住までを無事羽ばたくには、頭と身体をフルに
働かせる事が必須となる。
とにかくこっからだ。

しんどい。

昨日、朝刊が終わった後、一息して新居の仲介屋に
鍵を受け取りに行った。
これでとうとう俺も自分の居城を構えるのか・・・そんなことを思いながら
アパートに向かう。

中に入ると、まぁ狭い。
ん?なんか臭いな・・・。この臭いはなんだ?
くんくん鼻を嗅ぎながら臭いの元を探ってると、どうもトイレから漂っている。
この前見学に来たときは感じなかったが、明らかに臭い。
というか部屋全体が臭い!
なんか小虫の死骸もところどころ散乱してて、置いてあった
ハウスクリーニングの日付を見ると今年3月の頭になっている。
こりゃ住み始める前にちょこちょこ来て掃除したほうがいいな・・・。

テンションが下がりつつ新居のアパートを後にし
次は集金へと向かった。
この日は15日指定の家3件だけだったのでさくっと回収。
その後、引っ越し用のレンタカーを予約するためカーショップへ。
料金等の説明を受けた後、バイクを停めてた店近くの広場に戻ると
車に乗った男が怒鳴ってきた。
オイこら!テメーのバイクかそれ、どこに停めてんだお前ちょっとこっち来い!。
なんだ?とおもいつつ近づくと、チンピラ風の男が車から降りてきて何やらまくし立ててきた。
すんません、カーショップの駐車場かと勘違いしてましたとヘコヘコして謝ってると
あ、?お前新聞屋か?今度からきーつけろやといって男は去っていった。
朝刊後、そのまま着替えずユニホームを着てバイクもカブだったので、俺が新聞販売
の従業員だと分かったのかもしれないが、なんでそこに反応するか分からなかった。
まぁ何にせよ、新聞のご加護で助かったのかもしれないので良しとするか。

そうこうしてる内に時刻は午後を回った。
テンションを大きく下げつつも、集金した金を入金するため店に向かう。
入金は無事終わったが釣銭用の金が少ない事に気付いた。
俺は集金時、釣銭用の金をいつも2万カバンに入れて持っている。
入金が終わればその2万にならないといけないんだが、ざっくり数えても1万5千もない。
どゆこと・・・あっ!!!
午前の集金時の記憶が鮮明に頭に蘇ってきた。
2か月分の新聞代8000いくらかを1万円札で貰ったんだが俺、お釣り8000円渡してる。
間違いない、その時の様子が頭の中で完全に再生されてる。

やばい、泣きそうだ。急いでその家に向かうが返してくれるか不安だった。
そんなの知らないよなんて言われたらどうすることもできん。
ほんとボケてるな俺。なんでその時まったく気付かず今になってはっきり気付くか。
何がどうなってるんだよ。
家に着きピンポンを鳴らすと、午前新聞代を払った人が出てきた。
事情を話すと向こうも気付いてたようでかつ、余分なお釣りを返却してくれた。
僥倖。とんでもない僥倖。
深々とお礼と詫びをし、家に帰る。

まったく、とんだ1日だ。
酒を飲みながらグッタリしてるとスマホのベルが鳴った。
嫌な予感が走る。着信元を見てみると店からだ。
恐る恐る電話に出ると、要件は明日休みのとこすまないが出勤してくれないか?
専業の一人が事故って人が足りない・・・・という内容だった。
他の休みの人は、都合が悪く出勤できないらしい。

翌午前6時半、朝刊を終える。
土曜日配達とは、うって変わってグダグダな配達模様で不着も出す。
夕刊時は配達が終わった後、選挙公報という号外のような新聞組みがあり
帰ってきたのは午後7時半。安倍首相にトドメを差された感じだ。


しんどい。

2週連続の土曜雨。

週の中で土曜が一番チラシが厚いんだけど
その次に厚いのは大体金曜だ。
昨日の金曜日は、今日と同じように雨が降っててチラシも土曜並みだった。
当然、準備や配達に時間が掛かり、終了は6時半を超えてしまった。

この悪い流れを変えたい。
そう思い、今日はコスモを燃やし全力配達で臨んだ。
蝶のようにチラシを舞入れ、蜂のように新聞をポストに突き刺していく。
その結果、6時20分で配達を終えた。
通常より約35分遅れで出発したので、本来なら5時45分頃終了ってとこか。
このタイムは俺にとって中々のものである。

タイムカードを押してると、配達を終えた一人の専業さんが店に戻ってきて
あれ?nito君今日早いじゃんと言ってきた。
この専業さんは配達が遅めの人だが、俺よりかはいつも若干早いので
ある意味ライバルのような存在である。
エッヘッヘと笑いつつ、内心では‘勝った‘と思った。

俺の配達も捨てたもんじゃないなと、少し誇らしい気分になってる。
ここ最近、ずるずると配達終了時刻が伸びてて潮時を
感じていたが、今日の様子を見る限りまだまだ現役だ。


もう辞めるけど。

書類と金を持って仲介業者の不動産屋に行った。

新居の家賃は2万5千円。
10月半ばから契約することにしたので、今日は10月分の家賃
11月分の家賃、火災保険料、仲介手数料、敷金の合計10万ほどを
支払ってきた。

実際に入居するのは11月なので、10月の半月分の家賃1万2千5百円は
何もせず消えていくようなものだが、11月まで待ってる間に
他に入居希望者が現れた場合そっちに取られるようだったので
ツバをつけとくための費用だといってもいいだろう。

離脱の準備は着々と進みつつある。

俺の区域は老人ホームにも新聞を配達していて
そこに禿げ上がった職員がいる。

齢は俺より一回り上っぽいけど、いわゆる‘若ハゲ‘の部類には入ると思う。
この人にいつも新聞を手渡ししているんだが、物凄く腰が低い。
ああ配達いつも有難うございます有難うございますと満面の笑みで
新聞を受け取るので、恐縮してこっちも腰を折るほどだ。

恐縮しつつも、なんでこの人は若くして禿げてしまったというのに
こんなポジティブで礼節正しい姿勢を保っていられるのか
不思議に思う自分がいる。
重い十字架を背負ってるはずなのに、それを感じさせない雰囲気。
この世の不条理を恨む気持ちなどないのか?
思えばタクシー時代にも、結構重いアトピーらしき女性の人が指令室で
働いていたけど、やはり明るく朗らかでおっちゃん達からも人気があった。


ハゲもアトピーも、俺にとって厄介な重石として乗っかっており
気分を暗くさせるものでしかない。
彼らに何か、今後を生きる術の重要なヒントが隠されてる気がしている・・・。
低腰

アパートを借りるには保証人が要る。
家に電話して親に頼むことにした。

俺の両親は、親父の方はすでに定年退職しており
今は年金を受け取ってる身のネオ・ニートだ。
ニートでは保証人になりませんという世知辛い規約だったので
まだ働いている母親の方に事情を話した。

契約書には母親の勤務先や年収等、いくつか書く項目があり
分からないとこもあるので調べて後日連絡してもらうことに。
断られるかもしれないと不安だったが、了承してくれたんで助かった。

ピッポッパ、トゥルルルル・・・。

やっと正式な退職日が決まったので、新住居探しを開始した。
ここひと月ほど、めぼしいとこをいくつかチェックしていた。
その内の1件に電話を掛けて、まだ募集してるかや物件の見学ができるかなどを
聞いてみた。
結果、まだ募集しており見学も今からでも大丈夫という話になり
さっそく電話先の仲介業者店まで足を運んだ。

店の中に入り、さっき電話したnitoですと告げると挨拶もそこそこ、物件の資料と
現地までの地図を渡され徒歩で向かうよう指示される。
物件は店から10分くらいのところにあり、現地に着いてタバコを吸いながら5分くらい
待ってると、鍵を手に持った仲介スタッフがやってきて中に入る事になった。

おじゃましまーす・・・。
部屋
中々ボロ・・・いやレトロな趣な玄関を通り
部屋2
部屋の中も拝見させてもらう。
ちなみに、左下に写ってる人は物件の仲介スタッフさんだ。
なかなかの美人さんで、こんな女性と狭い空間に二人きり・・・ハァハァと
気付いたら捕捉していた。
最近の俺は妙に盛っててどうかしてる。


20分ほど説明を受け、店に戻り契約に必要な書類などをもらって後にした。
うーん、どうするか・・・。
他にも気になる物件はあるが、なんかめんどくせーな。
もうここでいいか。





今日は念願の退職手続きを行った。

所長に促され、事務室の椅子へと腰掛け相対する。
手続きが始まる前に、どうしても10月で辞めるのか?
こちらとしては人が居ない状況、11月くらいまでは続けてほしい。
給料は上乗せしても構わないと提案される。

NO THANKS。
俺はこの嘆願を一蹴した。
一度決めた事は曲げないのが信条(楽になりたい方向のみ)、給料上乗せと
いっても実際いくらになるか分からないし、それで話し合いになるのもまた面倒だった。

君は思ったより冷たい人間だな、と吐き捨てられ、手続きに入った。
まず、今月の集金は10月の終わりまではしっかりやってもらうと声を強めに言われた。
NO THANKS。これ以上の集金は自己破壊。
できないと言うとそれは駄目、やってもらうとさらに強めて言われた。
グヌヌ・・・これは抗えそうにない。今一度苦行を行うしかこの場は収まりそうになく
渋々承諾した。

その後、幾数枚かの書類に署名と判を記していったが
色々と厳しいものだった。
部屋のクリーニング代3万、ユニホームという最初店から支給された衣類が何着かあるんだが
それの返却とクリーニング代1万ちょい。
さらに今住んでる部屋の家賃6万の物件、それを今まで店が3万分負担して折半してたが
11月からは従業員じゃなくなるので折半がなくなり、30日計算の日割りで10月の給料から
1日滞在ごとに2000千円ずつ引かれる等々、畳みかけるがごとく差っ引かれる内容だった。


不満はあるが、それらを受け入れ、すべての書類にサインする。
解放されたいという思いは止められなかった。

朝刊の配達が終わり、予備の新聞などを棚に戻してると
親切女性が声を掛けてきた。
この前は行けなかったけど11月なら予定空いてるんで食事いけるよ、と。

!!!

ゼヒッ!と新聞をほっぽって即答した。

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